スキップしてメイン コンテンツに移動

メモ:2016年2月15日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


2016年2月15日に開催された第22回県民健康調査検討委員会で発表された、甲状腺検査結果の数字をメモ的に整理した。数字は、2015年12月31日時点のものである。また、本格検査で悪性ないし悪性疑いとされた51人の先行検査結果についても、簡単にまとめた。

先行検査は前回で確定版となっているので、今回は検査結果の紙面報告なし。次回の検討委員会で追補版を出すとのこと。本格検査の資料はこちら

先行検査(一巡目)
悪性ないし悪性疑い 116人(前回から1人増)
手術症例      101人(前回から変化なし)(良性結節 1人と、甲状腺がん 100人:乳頭がん97人、低分化がん3人)
手術待ち       15人

本格検査(二巡目)
悪性ないし悪性疑い 51(前回から12人増)
手術症例      16人(前回から1人増)(甲状腺がん 16人:乳頭がん 16人)
手術待ち      35人

合計
悪性ないし悪性疑い 167人(良性結節を除くと166人で、この数字がよく報道されている)
手術症例      117人(良性結節 1人と、甲状腺がん 116人:乳頭がん 113人、低分化がん 3人)
手術待ち        50人

***

本格検査で悪性ないし悪性疑いと診断された51人の先行検査結果
A1判定:25人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:22人(結節 7人、のう胞 15人)
B判定: 4人(先行検査では2人が細胞診をしている)




コメント

このブログの人気の投稿

ランセット・ヘマトロジー誌に掲載された論文「放射線モニタリングを受けた作業者(INWORKS)における電離放射線と白血病およびリンパ腫の死亡リスク:国際コホート研究」の部分和訳とフェアリー氏解説

低線量の放射線でも白血病リスクが上昇する、と最近話題になっている新研究がある。英医学誌「ランセット・ヘマトロジー」に掲載された、"Ionising radiation and risk of death from leukaemia and lymphoma in radiation-monitored workers (INWORKS): an international cohort study"(邦題仮訳「放射線モニタリングを受けた作業者(INWORKS)における電離放射線と白血病およびリンパ腫の死亡リスク:国際コホート研究」)である。

この論文についてのツイートまとめはこちら 関連新聞記事のツイートまとめはこちら
2015年7月2日掲載の共同通信の記事「放射線低線量でも白血病リスク 欧米作業員30万人を疫学調査」
ここでは、この論文の一部(「要旨」と「研究のコンテクスト」)および、英国のイアン・フェアリー氏による解説の和訳を記す。
「放射線モニタリングを受けた作業者(INWORKS)における電離放射線と白血病およびリンパ腫の死亡リスク:国際コホート研究」

要旨
背景:職業的、環境的、および診断医療の状況下で典型的に見られるような、間欠的あるいは長期におよぶ低線量放射線被ばくにおける白血病とリンパ腫のリスクには、大きな不確実性がある。われわれは、長期にわたる低線量放射線被ばくと、フランス、英国と米国で雇用されている放射線モニタリングを受けた成人における、白血病、リンパ腫と多発性骨髄腫の死亡率との間の関連性を定量化した。
方法:フランスの原子力・新エネルギー庁、 アレヴァ原子燃料部門、またはフランス電力会社、米国のエネルギー省と防衛省、そして英国の放射線業務従事者登録に含まれている原子力産業作業者で、最低1年間雇用され、被ばく線量の個人モニタリングをされた308,297人の作業者のコホートを構築した。コホートは、計8,220,000人・年に達するまで追跡された。白血病、リンパ腫と多発性骨髄腫による死亡者を確認した。ポアソン回帰を用いて、骨髄吸収線量推計値と白血病とリンパ腫の死亡率との間の関連性を定量化した。
結果:線量は非常に低い率で累積した(平均 年間 1.1 mGy, SD 2〜6)。白血病(慢性リンパ性白血病を除く)による死亡率の過剰相対リスクは1 G…

岡山大学チーム原著論文に対する医師らの指摘・批判への、津田敏秀氏による回答集

以下は、ある日本人医師たちから、岡山大学チームによる『Epidemiology』誌掲載の原著論文「Thyroid Cancer Detection by Ultrasound Among Residents Ages 18 Years and Younger in Fukushima, Japan: 2011 to 2014 」(日本語タイトル:2011年から2014年の間に福島県の18歳以下の県民から超音波エコーにより検出された甲状腺がん)に関して、津田氏に寄せられた批判や意見と、それに対する津田氏の回答集である。掲載は、津田氏の許可を得ている。

論文へのリンクはこちら
この回答集のPDFは、以下に埋め込んであるが、こちらからダウンロード可能。
論文発表時の記者会見関連記事はこちら




2015年10月19日                            

 日本人医師の方々から、論文に関して貴重なご指摘・ご批判を受け取りましたので、お答えさせていただきます。

 この回答集でお答えしたご指摘・ご批判は、太字で表示し、通し番号をつけさせていただきました。なお、回答中で使われている「EBM」とは、Evidence Based Medicine の略で、日本語では「科学的根拠に基づいた医学」とされます。EBMは、もともと Science Based Medicine というネーミングだったようです。この場合、科学的根拠とは、人を観察し人単位で分析された結果もしくはそれを記載した論文ということになります。つまり疫学方法論で分析された結果もしくはそれを記載した論文です。

 まず最初に、医師によるブログ記事2つを取り上げさせていただきます。


ブログ記事1(リンク:http://drmagician.exblog.jp/23772300/) 
1. この論文を見ると,まずethicsに関する記載がありませんのでこの時点で論外で,「はたして倫理委員会をちゃんと通して論文を書いたのだろうか?」という疑問があります(Epidemiology誌では記載が求められるはずですが査読でなぜひっかからなかったんでしょうね?).
回答:論文中に書いてありますので、ご確認ください。今日、医学論文は研究倫理に関する記述がなければなかなか掲載してもらえません。論文中に書いてある論文も結構あります。
2. そ…

和訳と考察 長崎大学&ベラルーシ研究発表「放射線と甲状腺がんリスク:福島とチェルノブイリ」

The Lancet: Diabetes and Endocrinology (「ランセット:糖尿病と内分泌学」)2016年8月号に、長崎大学(高村昇、折田真紀子、ウラジミール・サエンコ、山下俊一、長瀧重信)とベラルーシ(ユーリ・デミチク)の共同研究が、コレスポンデンスとして掲載された。これは、2016年8月4日に福島民報に掲載された記事で言及されている論文だと思われる。以下は非公式和訳である。



放射線と甲状腺がんリスク:福島とチェルノブイリ
ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所事故から30年、そして福島第一原子力発電所での危機から5年が過ぎた。チェルノブイリ災害後、ベラルーシ、ロシアとウクライナにおいて、事故時に放出された放射性ヨウ素に被ばくした小児と思春期の青年らの間で甲状腺がんのかなりの増加が報告された。このチェルノブイリでの経験に基づいて、福島県民健康調査の枠組み内で甲状腺超音波検査が行われている。この検査は福島事故当時18歳未満(原文ママ:実際には事故当時18歳「以下」)だった住民すべて(およそ36万人)が対象である。2011年10月から2014年3月に実施されたスクリーニングの1巡目では、受診者 300,476人中113人が、甲状腺悪性腫瘍確定または疑いとされた。
福島事故後の甲状腺がんの発見は、現代的で精度の高い超音波技術によるスクリーニングの影響かもしれない。この問題を調査するために、福島での放射線被ばくと甲状腺がんの間の因果関係は、特にチェルノブイリからの既存の証拠に対して注意深く評価されるべきである。
チェルノブイリでは、被ばくした小児の甲状腺被ばく線量平均値は、ベラルーシで 560 mSv[SD 1180]、ウクライナで 770 mSv[260]と推計された。一方、事故後に福島の1000人以上の 0〜14歳の小児の 99%で報告された甲状腺被ばく線量は、15 mSv未満だった。これらの低いレベルでは、福島での被ばく線量が、被ばくの可能性から 4年以内に検出可能な甲状腺がんの過剰例を起こした可能性は低い。
もうひとつの考慮すべき重要点は、2つの事故後の患者の年齢である。ベラルーシでは、事故前に設置されたがん登録によると、事故後最初の4年間(1986〜1989年)に被ばく時に0〜15歳だった患者で25例の甲状腺がんの手術例が報告された。この数字は、199…