メモ:2017年6月5日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


2017年6月5日に、第27回「県民健康調査」検討委員会および第7回「甲状腺検査」評価部会が合同開催され、甲状腺検査1巡目〜3巡目の結果が発表された。ここでは、検査結果の数字をメモ的に整理した。データは2017年3月31日時点のものである。

1巡目結果は、平成28年度追補版が発表された。悪性ないし悪性疑い数および手術症例数には変化はない。

2巡目結果は、まだ二次検査が進行中のため、今回も確定版は出なかった。二次検査の進捗を見ながら、次回か次次回に確定版が出されるとのことである。二次検査の受診率は前回より3%ほど増えて82.3%、結果確定率は95.4%である。(2巡目未受診の25歳節目検診対象者の受診結果も2巡目に計上されるため、今後も受診者数が増加する見込み)

2巡目では新たに2人が悪性ないし悪性疑いと診断された。いずれもいわき市在住で、事故当時年齢が12歳の男性と、同じく11歳の女性1人である。これで、2巡目で悪性ないし悪性疑いとされたのは計71人となる。この71人の先行検査(1巡目)結果についても、簡単にまとめた。この2人の1巡目結果は、A1が1人とA2が1人であるが、A2症例が結節だったのかどうかは発表されなかった。

2016年5月1日から開始されている3巡目では、一次検査受診率が前回より10%増えた35.8%で、691人の二次検査対象者のうち、332人が二次検査を受診し、うち225人で結果が確定している。11人が細胞診を受診し、4人が悪性ないし悪性疑いと診断され、すでに2人が手術を受けた。この4人の詳細は、男性2人(どちらも事故当時10歳)、女性2人(事故当時8歳と13歳)で、2人は避難区域等13市町村、2人は中通りの住民である。

先行検査(1巡目)
悪性ないし悪性疑い 116人
手術症例      102人(前回から変化なし)(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
経過観察中      14人

本格検査(2巡目)
悪性ないし悪性疑い 71(前回から2人増)
手術症例      49人(前回から5人増)(甲状腺がん 49人:乳頭がん 48人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中     22人

本格検査(3巡目)
悪性ないし悪性疑い 4(前回から4人増)
手術症例      2人(前回から2人増)(甲状腺がん 2人:乳頭がん2人)
経過観察中     2人

合計
悪性ないし悪性疑い 191人(良性結節を除くと190人
手術症例      153人(良性結節 1人と甲状腺がん 152:乳頭がん 150人、低分化がん 1人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中       38人

(**「その他の甲状腺がん」とは、2015年11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第7版内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。)

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2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された71人の1巡目結果

A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、その他 24人、不明1人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人

3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された4人の2巡目結果
A1判定:0人
A2判定:3人(結節1人、その他2人)
B判定:1人

メモ:2024年2月2日に公表された甲状腺検査結果の数字の整理、およびアンケート調査について

  *末尾の「前回検査の結果」は、特にA2判定の内訳(結節、のう胞)が、まとめて公式発表されておらず探しにくいため、有用かと思われる。  2024年2月22日に 第50回「県民健康調査」検討委員会 (以下、検討委員会) が、 会場とオンラインのハイブリッド形式で開催された。  ...