福島民友紙面版「甲状腺検査 4人 2巡目がん疑い  1巡目異常なしの子ども」文字起こし


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福島で甲状腺がん増加か 子ども4人、放射線影響か確認

 福島県の全ての子どもを対象に東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、事故直後の1巡目の検査では「異常なし」とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑いと診断されたことが23日、関係者への取材で分かった。25日に福島市で開かれる県の検討委員会で 報告される。

 甲状腺がんと診断が確定すれば、原発事故後にがんの増加が確認された初のケースとなる。調査主体の福島県立医大は確定診断を急ぐとともに、放射線の影響かどうか慎重に見極める。

 1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がんが急増した。



2014年12月24日付けの福島民友紙
面版より




(画像提供:@info_Fukushimaさん


以下、紙面版の文字起こし。英訳はこちら

甲状腺検査 4人 2巡目がん疑い 1巡目異常なしの子ども


 本県の全ての子どもを対象に東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、事故直後の1巡目の検査では「異常なし」とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑いと診断されたことが23日、関係者への取材で分かった。25日に福島市で開かれる県の検討委員会で報告される。

 甲状腺がんと診断が確定すれば、原発事故後にがんの増加が確認された初のケースとなる。

 調査主体の福島医大は確定診断を急ぐとともに、放射線の影響かどうか慎重に見極める。

 1986年のチェルノブイリ原発事故では4−5年後に子どもの甲状腺がんが急増した。このため医大は、事故から3年目までの1巡目の結果を、放射線の影響がない現状把握のための基礎データとしてとらえ、2巡目以降でがんが増えるかなどを比較し、放射線の影響を調べる計画。

 検査の対象は1度目が事故当時18歳以下の約37万人で、2度目は事故後1年間に生まれた子どもを加えた約38万5千人。それぞれ1次検査で超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形状などを調べ、程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが血液や細胞などを詳しく調べる2次検査を受ける。

 関係者によると、今回判明したがんの疑いの4人は震災当時6〜17歳の男女。1巡目の検査で2人が「A1」、残る2人も「A2」と判定され、「異常なし」とされていた。4人は、今年4月からの2巡目検査を受診し、1次検査で「B」と判定され、2次検査で細胞などを調べた結果「がんの疑い」と診断された。腫瘍の大きさは7〜17.3ミリ。

 4人のうち3人は、原発事故が起きた2011年3月11日から4ヶ月の外部被ばく線量が推計でき、最大2.1ミリシーベルトだった。4人はそれぞれ大熊町、福島市、伊達市、田村市に居住していた。

 また、1巡目でがんの診断が「確定」した子どもは8月公表時の57人から27人増え84人に、がんの「疑い」は24人に(8月時点で46人)になったことも新たに判明した。

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