福島第一原発からの最初の放射能プルームは、PM2.5サイズの不溶性球状セシウム粒子を含んでいた


筑波の気象研究所の英語論文「福島原子力事故の初期段階での球状セシウム粒子の放出」 の紹介

元論文
Emission of spherical cesium-bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident


アブストラクト和訳 
福島原子力事故は、2011年3月に北半球全体の環境に放射性物質を放出した。日本政府は汚染された住宅地や農地を除染するのに多額の資金を費やしている。しかし、放射性物質の物理的および化学的性質はまだ正確に知られていない。この研究では、事故の比較的初期の段階(3月14−15日)に放出された球状セ シウム粒子を直接観察した。現在仮定されているセシウム粒子とは反対に、これらの粒子はもっと大きく、鉄、亜鉛とセシウムを含み、不溶性である。我々のシミュレーションは、球状セシウム粒子は、主に乾性降下物として地面に落ちたことを示す。球状セシウム粒子の発見は、事故の過程を理解することと、健康影響および環境での滞留時間を正確に評価することへの鍵となるだろう。

本文から要点を抜粋和訳
事故で放出されたセシウムは20kg以下だった。 
放射能プルームは、3月14〜15日と3月20〜21日の2度発生した。 
最初のプルームに含まれていたセシウムは、球状粒子で水に溶けず、鉄と亜鉛と共存し、内部で混在した合金のような状態だった。
これは、カネヤスらによる、2011年3月と4月に採取された検体のセシウムが直径約0.5μmの硫酸エアロゾルに付着していたという報告と異なる。  

球状セシウム粒子は、直径約2μmで、1粒子につき平均して1.4Bqの放射能を含んでいた。




3月20〜21日の2度目のプルームのエアフィルター検体ではエアロゾル粒子によくみられる硫酸とミネラルダストが見つかった。 

シミュレーションモデルでは、他のモデルと異なり、エアロゾル粒子の動態過程を特に考慮し我々の観察に基づいた測定値と粒子の物理的および化学的性質の仮定を用いた。すなわち、3月14−15日の放射性セシウムは直径2.3μmの疎水性粒子であり、3月20−21日のセシウムは親水性の1μm以下の粒子(硫酸など)に付着して運ばれたということである。 最初のプルームからフィルターに付着したエアロゾル粒子は、主に3月14日17:00から3月15日02:00の間に福島第一から放出された。2度目のプルームからのエアロゾル粒子は、主に3月19日20:00から3月20日07:00の間に放出された。

飛灰のような球状エアロゾル粒子は、大体、サイズによって、液状化した物質から生じたり、気化した物質が凝縮する時に発生したりする。 球状セシウム粒子は、硫酸粒子よりも大きくて水に溶けにくく、多くが乾燥降下物として沈着して、福島第一から北西の地域への沈着が(硫酸粒子よりも)少なかった。
事故が進行し、注水が進むにつれ、最初と2番目のプルームでは放出過程に変化があったと思われる。しかし、事故の間の放出過程を解明するには、さらなる研究が必要である。 

この研究の目的は、球状放射性セシウム粒子の存在を示し、粒子効果の適切な理解と評価を可能にする、多様的分野での研究を刺激・促進することである。我々は、セシウム粒子の発見が、下記の研究に密接に関わることになると信じている。 

1)福島第一事故によって放出されたセシウム粒子の構成と球状形は、事故の間に原子炉で何が起こったかを理解する鍵となるだろう。
2)球状セシウム粒子は、水溶性のセシウム粒子よりも地表面での滞留時間が長いだろう。土壌や他の環境内での粒子の滞留時間を再考慮する必要がある。 
3)セシウム粒子の健康影響は、粒子のサイズと疎水性に基づいて評価されるべきである。 

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