メモ:2017年12月25日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


(2巡目での手術数が更新されていたことについて、2018年3月6日に訂正した。)

2017年12月25日に、第29回「県民健康調査」検討委員会が開催された。前回の、2017年10月23日の第28回「県民健康調査」検討委員会では、2巡目の結果は一区切りと考えられ、次回の検討委員会か甲状腺検査評価部会で確定版を公表し、まだ続行中の二次検査結果が追補版として出される旨、言及されていた。実際、2017年11月30日に開催された第8回甲状腺検査評価部会で、2巡目結果の確定版が公表されている。確定版のデータは、第28回「県民健康調査」検討委員会で出された結果とまったく同じで、2017年6月30日付けのものであり、今回の検討委員会では、夏休み中に検査を受けた人のデータを含む9月30日付けの結果が口頭発表されるのではないかと期待されたが、甲状腺検査評価部会で配布された確定版結果以上の情報は公表されなかった。 2巡目の結果確定版のデータそのものは、第28回「県民健康調査」検討委員会で出された結果と同じだったが、地域別集計の表11が追加されている。また、9月30日付けの結果では手術例が1例増えたことが口頭発表され、別資料「甲状腺検査結果の状況」から、この1例が平成26年度市町村の対象者であったことがわかる。

3巡目結果は、新たに悪性ないし悪性疑いと診断された人はおらず、手術症例が4例増え、これまでに悪性ないし悪性疑いと診断された7人全員が手術を受け、甲状腺乳頭がんの診断が確定されたことになる。

前回と比べ、全体的な数字に変化はないのではあるが、時系列的な記録を残すという意味で、これまでと同様、甲状腺検査結果の数字をメモ的に整理した。データは、2巡目結果は2017年6月30日時点、3巡目結果は2017年9月30日時点のものである。

注:2巡目対象者には、甲状腺検査未受診の25歳節目健診対象者が計上されるが、3巡目では、25歳節目健診対象者(平成4年度、5年度生まれ)は別途計上となるため、対象者に入っていない。このため、3巡目の一次検査対象者数は、2巡目よりも44625人少なくなっている。またこれは、平成4年度と5年度生まれの受診者が二次検査で悪性ないし悪性疑いの診断を受けても、今回の3巡目結果には含まれていないことになる。

***
2巡目結果の確定版は、甲状腺検査評価部会の開催報告の中に含まれている。前述のとおり、データは前回とまったく同じであるが、「調査概要」に、以下の新項目7「確定版の定義」が、付け加えられている。

7. 確定版の定義
 一次検査については、平成26年4月2日から平成29年6月30日までに、検査を受診した方を本格検査(検査2回目)として集計した。
 二次検査についても、平成29年6月30日までに結果が判明した分について集計した。7月1日以降については、別途追補版として整理する。

なお、2巡目の悪性ないし悪性疑いは71人、手術症例は51人 50人である。

2016年5月1日から開始されている3巡目では、一次検査受診率が前回より7.0%増えて48.1%となった。二次検査対象者は前回より169人増えて923人となり、前回より119人多い557人が二次検査を受診し、うち474人で結果が確定している。新たに4人が細胞診を受診したが、悪性ないし悪性疑いと診断された人はいなかった。手術症例は4例増え、これまでに悪性ないし悪性疑いと診断された7人全員が平成28年度実施市町村の住民であるが、その7人全員が手術を受けたことになる。

先行検査(1巡目
悪性ないし悪性疑い 116人
手術症例      102人(前回から変化なし)(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
経過観察中      14人

本格検査(2巡目)
悪性ないし悪性疑い 71(前回から変化なし)
手術症例      51 50人(前回から1人増 変化なし)(甲状腺がん 51人 50人:乳頭がん 50人 49人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中     20人 21人

本格検査(3巡目)
悪性ないし悪性疑い 7(前回から変化なし)
手術症例      7人(前回から4人増)(甲状腺がん 7人:乳頭がん7人)
経過観察中     0人

合計
悪性ないし悪性疑い 194人(良性結節を除くと193人
手術症例      160人 159人(良性結節 1人と甲状腺がん 159人 158:乳頭がん 157人 156人、低分化がん 1人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中       34人 35

(**「その他の甲状腺がん」とは、2015年11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第7版内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。)

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2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された71人の1巡目結果
A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、のう胞25人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人

3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された7人の2巡目結果
A1判定:1人
A2判定:5人(結節1人、のう胞4人)
B判定:1人

メモ:2017年10月23日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


2017年10月23日に、第28回「県民健康調査」検討委員会が開催され、甲状腺検査の2巡目と3巡目の結果が発表された。年4回のうち、本来は8月後半か9月中旬には開催されていた回が、今回はかなり遅めの10月後半の開催となった。しかしながら、データは2017年6月30日までのものである。通常、検討委員会の3〜4週間前に開催される甲状腺検査専門委員会 診断基準検討部会は、2017年8月20日に開催されている。

ここでは、甲状腺検査結果の数字をメモ的に整理した。データは2017年6月30日時点のものである。

注:2巡目対象者には、甲状腺検査未受診の25歳節目健診対象者が計上されるが、3巡目では、25歳節目健診対象者(平成4年度、5年度生まれ)は別途計上となるため、対象者に入っていない。このため、3巡目の一次検査対象者数は、2巡目よりも44625人少なくなっている。またこれは、平成4年度と5年度生まれの受診者が二次検査で悪性ないし悪性疑いの診断を受けても、今回の3巡目結果には含まれていないことになる。

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2巡目結果は、今回の数値で一区切りとなり、次回開催の検討委員会か甲状腺検査評価部会において確定版が出されるということである。二次検査は、前回より受診者が12人増え、受診率は0.5%増えて82.8%となり、結果確定率は97.0%だった。新たに5人が細胞診を受けたが、悪性ないし悪性疑いは見つからなかったため、2巡目の悪性ないし悪性疑いは71人でとどまっている。手術症例は平成27年度実施市町村で1人増えたため、2巡目で甲状腺がんと確定された人数は50人となった。

2016年5月1日から開始されている3巡目では、一次検査受診率が前回より5.3%増えて41.1%となった。二次検査対象者は前回より63人増えて754人となり、前回より106人多い438人が二次検査を受診し、うち367人で結果が確定している。新たに7人が細胞診を受診し、平成28年度実施市町村から3人が悪性ないし悪性疑いと診断された。この3人の詳細は、男性2人(事故当時11歳と12歳)、女性1人(事故当時10歳)で、1人は避難区域等13市町村、2人は中通りの住民である。3人の2巡目の判定結果は、1人がA1、2人がA2のう胞だった。手術症例は、平成28年度実施市町村で1人増え、3巡目で甲状腺がんと確定された人数は3人となった。(今回の発表は2017年6月30日時点でのデータであるが、夏休みの間に細胞診や手術を受ける場合があると想定されるため、次回の結果がより進捗していることが見込まれる。)

先行検査(1巡目
悪性ないし悪性疑い 116人
手術症例      102人(前回から変化なし)(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
経過観察中      14人

本格検査(2巡目)
悪性ないし悪性疑い 71(前回から変化なし)
手術症例      50人(前回から1人増)(甲状腺がん 50人:乳頭がん 49人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中     21人

本格検査(3巡目)
悪性ないし悪性疑い 7(前回から3人増)
手術症例      3人(前回から1人増)(甲状腺がん 3人:乳頭がん3人)
経過観察中     4人

合計
悪性ないし悪性疑い 194人(良性結節を除くと193人
手術症例      155人(良性結節 1人と甲状腺がん 154:乳頭がん 152人、低分化がん 1人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中       39

(**「その他の甲状腺がん」とは、2015年11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第7版内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。)

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2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された71人の1巡目結果
A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、のう胞25人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人

3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された7人の2巡目結果
A1判定:1人
A2判定:4人(結節1人、のう胞4人)
B判定:1人

メモ:2017年6月5日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


2017年6月5日に、第27回「県民健康調査」検討委員会および第7回「甲状腺検査」評価部会が合同開催され、甲状腺検査1巡目〜3巡目の結果が発表された。ここでは、検査結果の数字をメモ的に整理した。データは2017年3月31日時点のものである。

1巡目結果は、平成28年度追補版が発表された。悪性ないし悪性疑い数および手術症例数には変化はない。

2巡目結果は、まだ二次検査が進行中のため、今回も確定版は出なかった。二次検査の進捗を見ながら、次回か次次回に確定版が出されるとのことである。二次検査の受診率は前回より3%ほど増えて82.3%、結果確定率は95.4%である。(2巡目未受診の25歳節目検診対象者の受診結果も2巡目に計上されるため、今後も受診者数が増加する見込み)

2巡目では新たに2人が悪性ないし悪性疑いと診断された。いずれもいわき市在住で、事故当時年齢が12歳の男性と、同じく11歳の女性1人である。これで、2巡目で悪性ないし悪性疑いとされたのは計71人となる。この71人の先行検査(1巡目)結果についても、簡単にまとめた。この2人の1巡目結果は、A1が1人とA2が1人であるが、A2症例が結節だったのかどうかは発表されなかった。

2016年5月1日から開始されている3巡目では、一次検査受診率が前回より10%増えた35.8%で、691人の二次検査対象者のうち、332人が二次検査を受診し、うち225人で結果が確定している。11人が細胞診を受診し、4人が悪性ないし悪性疑いと診断され、すでに2人が手術を受けた。この4人の詳細は、男性2人(どちらも事故当時10歳)、女性2人(事故当時8歳と13歳)で、2人は避難区域等13市町村、2人は中通りの住民である。

先行検査(1巡目)
悪性ないし悪性疑い 116人
手術症例      102人(前回から変化なし)(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
経過観察中      14人

本格検査(2巡目)
悪性ないし悪性疑い 71(前回から2人増)
手術症例      49人(前回から5人増)(甲状腺がん 49人:乳頭がん 48人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中     22人

本格検査(3巡目)
悪性ないし悪性疑い 4(前回から4人増)
手術症例      2人(前回から2人増)(甲状腺がん 2人:乳頭がん2人)
経過観察中     2人

合計
悪性ないし悪性疑い 191人(良性結節を除くと190人
手術症例      153人(良性結節 1人と甲状腺がん 152:乳頭がん 150人、低分化がん 1人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中       38人

(**「その他の甲状腺がん」とは、2015年11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第7版内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。)

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2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された71人の1巡目結果

A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、その他 24人、不明1人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人

3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された4人の2巡目結果
A1判定:0人
A2判定:3人(結節1人、その他2人)
B判定:1人

メモ:2024年2月2日に公表された甲状腺検査結果の数字の整理、およびアンケート調査について

  *末尾の「前回検査の結果」は、特にA2判定の内訳(結節、のう胞)が、まとめて公式発表されておらず探しにくいため、有用かと思われる。  2024年2月22日に 第50回「県民健康調査」検討委員会 (以下、検討委員会) が、 会場とオンラインのハイブリッド形式で開催された。  ...