メモ:2017年10月23日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


2017年10月23日に、第28回「県民健康調査」検討委員会が開催され、甲状腺検査の2巡目と3巡目の結果が発表された。年4回のうち、本来は8月後半か9月中旬には開催されていた回が、今回はかなり遅めの10月後半の開催となった。しかしながら、データは2017年6月30日までのものである。通常、検討委員会の3〜4週間前に開催される甲状腺検査専門委員会 診断基準検討部会は、2017年8月20日に開催されている。

ここでは、甲状腺検査結果の数字をメモ的に整理した。データは2017年6月30日時点のものである。

注:2巡目対象者には、甲状腺検査未受診の25歳節目健診対象者が計上されるが、3巡目では、25歳節目健診対象者(平成4年度、5年度生まれ)は別途計上となるため、対象者に入っていない。このため、3巡目の一次検査対象者数は、2巡目よりも44625人少なくなっている。またこれは、平成4年度と5年度生まれの受診者が二次検査で悪性ないし悪性疑いの診断を受けても、今回の3巡目結果には含まれていないことになる。

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2巡目結果は、今回の数値で一区切りとなり、次回開催の検討委員会か甲状腺検査評価部会において確定版が出されるということである。二次検査は、前回より受診者が12人増え、受診率は0.5%増えて82.8%となり、結果確定率は97.0%だった。新たに5人が細胞診を受けたが、悪性ないし悪性疑いは見つからなかったため、2巡目の悪性ないし悪性疑いは71人でとどまっている。手術症例は平成27年度実施市町村で1人増えたため、2巡目で甲状腺がんと確定された人数は50人となった。

2016年5月1日から開始されている3巡目では、一次検査受診率が前回より5.3%増えて41.1%となった。二次検査対象者は前回より63人増えて754人となり、前回より106人多い438人が二次検査を受診し、うち367人で結果が確定している。新たに7人が細胞診を受診し、平成28年度実施市町村から3人が悪性ないし悪性疑いと診断された。この3人の詳細は、男性2人(事故当時11歳と12歳)、女性1人(事故当時10歳)で、1人は避難区域等13市町村、2人は中通りの住民である。3人の2巡目の判定結果は、1人がA1、2人がA2のう胞だった。手術症例は、平成28年度実施市町村で1人増え、3巡目で甲状腺がんと確定された人数は3人となった。(今回の発表は2017年6月30日時点でのデータであるが、夏休みの間に細胞診や手術を受ける場合があると想定されるため、次回の結果がより進捗していることが見込まれる。)

先行検査(1巡目
悪性ないし悪性疑い 116人
手術症例      102人(前回から変化なし)(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
経過観察中      14人

本格検査(2巡目)
悪性ないし悪性疑い 71(前回から変化なし)
手術症例      50人(前回から1人増)(甲状腺がん 50人:乳頭がん 49人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中     21人

本格検査(3巡目)
悪性ないし悪性疑い 7(前回から3人増)
手術症例      3人(前回から1人増)(甲状腺がん 3人:乳頭がん3人)
経過観察中     4人

合計
悪性ないし悪性疑い 194人(良性結節を除くと193人
手術症例      155人(良性結節 1人と甲状腺がん 154:乳頭がん 152人、低分化がん 1人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中       39

(**「その他の甲状腺がん」とは、2015年11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第7版内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。)

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2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された71人の1巡目結果
A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、のう胞25人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人

3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された7人の2巡目結果
A1判定:1人
A2判定:4人(結節1人、のう胞4人)
B判定:1人

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