告知もほとんどなく、2014年7月25−27日に、ほぼ非公開の形で開催された、「第2回 福島県立医科大学・IAEA国際学術会議」の資料が、「ふくしま国際医療科学センター 放射線医学県民健康管理調査」の英語サイトに掲載されていた。久し振りの山下俊一氏の英語講演から、少し紹介する。(全体の書き起こし和訳は、時間の都合で断念)
ちなみに、この資料は、日本語のサイトでは紹介されていない。学術会議に関しては、首相官邸災害対策ページの、「原子力災害専門家グループからのコメント:第六十九回 福島原発事故後の国際協力支援―国境を越えた被災者同士の絆―(平成26年9月10日) 佐々木 康人」という記事で少し紹介されている。
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第3日 2014 年 7 月 27 日(日)
山下氏の講演パワーポイントスライドのいくつかの和訳
福島医科大学・IAEA学術会議「放射線、健康と社会」
医学職業教育にとっての福島事故後の含意
2013年11月21−24日
- 1日目:リスクコミュニケーションについての講演
- 2日目:精神衛生についての講演
- 3日目:医学放射線教育とSTS(科学技術社会論)
- 4日目:精神衛生とリスクコミュニケーション
サマリー1:放射線と健康(山下氏が2013年11月当時に書いたもの)
- 多次元的で複雑な311災害は、現存する社会においての人命の価値に対する感じ方や、公衆のリスクに対する自覚や認識などの、既存の問題および潜在性を持つ新たな問題を変える可能性がある。
- STS(科学技術社会論)の医学教育カリキュラムを含む、医学教育の改革が重要な問題となる。
- 放射線リスクについて互いにコミュニケーションを取り、社会的信頼および個人的信頼度を得るための、共通の言語が必要である。
- 原子力事故を含む複合災害の複雑さを処理するための人材の訓練と開発も、また必要である。
サマリー2:健康(リスク)と社会について
- STSの重要性について実りの多い議論や相互理解があったにも関わらず、われわれはまだ、人の命全体の、様々なそして多次元的側面を理解し、信頼できる対策を実施する混乱の真っただ中にいる。「群盲象を評す」である。
- 普遍的なアドバイスに従う必要がある。「正直さは最善の方策である」(福島県出身の野口ヒデオ博士の言葉)
- IAEAと福島医科大学は、現在、主要な専門家と海外と国内の関連研究機関と協力し、放射線教育と精神ケアとリスクコミュニケーションの新たなパラダイムシフトを確立するための分岐点に立っている。
科学のコミュニケーション
- 科学の理解:放射線生物学・化学・物理学・規制など
- 科学者の役割(専門家)
- 教育者の役割
- 科学翻訳者と科学通訳者
- 危機、危機後と平時という、災害サイクルの様々な段階でのリスクコミュニケーション
この福島医大・IAEA学術会議の結果は、特に、
統合されたSTS概念の導入および、
STSの医学教育カリキュラムへの多次元的な履行への挑戦において、
福島事故後の復興の医学と医療システムにとっての
マイルストーン(画期的な出来事)となるだろう。
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日本学術会議を通して推奨
山下俊一氏の講演より、興味深い供述を書き起こし和訳
山下氏:「群盲象を評す」という言葉がある。これが我々の状況である。その意味は、我々はいつも正直になる、である。正直さは、信頼を得るために重要な鍵である。(「正直な」は、多分信頼を得るために発行された、とても重要な鍵である。)ここで良い例を挙げる。それは、ここ福島の主要な科学者である。名前はノグチ・ヒデオ博士。だから、ノグチ博士の特別な言葉を学んでほしい。「正直さは最善の方策である」
(英語原文書き起こし:This
is our situation. It means we always become honest. Honest is a very
important key issued, probably to get trust. So we have the good
exampled, and the leading scientist here in Fukushima. The name is
Dr. Hideo Noguchi. So, please learn his special word, “Honesty is
best policy.”)
(訳注:ノグチ・ヒデオ博士とは、野口英世博士のことだと思われる)
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山下俊一氏の〆の言葉の大意:福島医科大学のスローガンは、「福島の悲劇を福島の奇跡に変えよう!」と「健康と医科学研究で、ふくしまから一緒にはじめよう。」である。最終ゴールは、福島県を日本一の長寿県に変えること。この事業をどのようにして継続するか。チェム氏は8月でIAEAから退職する。日本政府は3年間の資金援助を約束しているが、それも来年で終わる。どうか、ボランティアとして、継続して福島を支援しに来てほしい。(と、会場に訴える)
ヨーゼフ・メンゲレの再来
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