キース・ベイヴァーストック氏のインタビューの書き起こし和訳


2014年3月4日−7日に開催された、ドイツのフランクフルト郊外での国際会議で、IWJヨーロッパ支部が、キース・ベイヴァーストック氏インタビューしました。

通訳がちゃんとできなかったので、書き起こし和訳をしました。

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質問:昨日はIAEAとWHOについてご説明されましたが、IAEAとWHOは、フクシマの事故のことをこれからどのようにして行きたいと考えていると思われますか?

”Well, actually, my opinion about what is happening in Fukushima is that neither of those organizations is doing their job. Not so much the relationship between them as the fact both of them failed to do the job we expected them to do. And the first part of that job was really to activate emergency response system to deal with public health issues. Well, that’s more or less the point I want to make. They failed to perform duties which, in my view, the national governments assigned them in the event such as the Fukushima accident.”

「そうですね、実は、フクシマで何が起こっているかについての私の意見は、IAEAもWHOも自分達の仕事をちゃんとしていないということです。IAEAとWHOの関係というよりも、どちらもやるべき仕事をやるのを怠りました。そして、その仕事の初めの部分は、公衆衛生の問題と対応するための緊急対策システムを起動することでした。まあ、それが私が言いたいことです。どちらの機関も、私からすると、フクシマ事故のような事が起きた時のために諸国の政府から命じられていた義務を果たさなかったのです。」

質問:IAEAとWHOは、日本に原発を続けてほしいと思っていると思いますか?

”I don’t think WHO particularly has an opinion on that, but IAEA certainly does because it promotes and it is the voice of the international industry. And of course they would not like to think Japan left the nuclear club.”

「WHOが特にそれについて意見を持っているとは思いませんが、IAEAは、原子力を推進し、国際的原子力産業の声であるから、確かにそうです。そしてもちろん、IAEAは、日本が原子力クラブを辞めたとは思いたくないでしょう。」

質問:日本政府の現在までの対応について何かコメントはありますか?

”I think that the Japanese government had clear responsibility to provide the information on exactly what was happening and on the levels of releases and consequences we have for public. I understand that the IAEA have said the government of Japan failed its duties to provide information. But I still don’t think that provides an reason or an excuse for IAEA not having acted, as it should have done, to implement the emergency response scheme.”

「日本政府は、正確に何が起こっていたかということや、放出のレベルと公衆への影響についての情報を提供するという明確な責任があったと思います。IAEAが、日本政府が情報を提供する義務を果たさなかったと言っていると理解しています。しかし、それでもIAEAがしかるべく緊急対応計画を実施しなかった理由や言い訳にはならないと思います。」

質問:甲状腺のスクリーニング効果についてご意見をお聞かせください。

”It’s much too early to know. The screening that’s being done is done primarily to reassure the public, I think. In that sense, before the screening can be effective, it needs to have screened the same population twice with an interval of, say, two years between screenings. ”

「まだ何か分かるには早過ぎます。今実施されているスクリーニングは、主に、一般市民を安心させるためのものだと思います。そういう意味では、スクリーニングが効果的になるためには、同じ集団を、スクリーニングとスクリーニングの間を2年ほどあけて、2回スクリーニングする必要があります。」

(ここで通訳者が混乱したので、もう一度言い直してくれました。)
”Screening I am sure has been implemented not as a research measure but as a means to reassure the public that there are no harmful effects. The technique being used is extremely sensitive and may be picking up disease which would not normally be picked up at such screening exercise. Therefore it is necessary to do two rounds of screening with each person, with an interval of around two years between them. When the second round is complete, we will be able to interpret those results. This particular screening was not, I assume, designed to be research, and it is not effective as research. So it is purely a humanitarian measure. So, at the moment, we can learn nothing from it. We need to wait for the results of the second round. In any case, from what we understand from the Chernobyl accident, we don’t expect first cancers to appear until after next year, on the fourth year after the accident.”

「スクリーニングは、研究手段というよりは、一般市民に、有害な影響がないと安心させるために実施されていると思います。使用されている技術は非常に感度が高く、そのようなスクリーニングで従来検出されないような疾患を検出しているかもしれません。なので、1人1人を、2年間あけて、2度スクリーニングすることが必要です。2巡目のスクリーニングが完了したら、その結果を解釈することが可能になるでしょう。このスクリーニングは、研究としてデザインされていないと推測していますが、実際、研究としての効果はありません。なので、純粋に、人道的対策です。今の所は、それから何も学ぶことができません。2巡目の結果が出るのを待たなければいけません。どちらにしろ、チェルノブイリ事故から分かっていることに基づくと、来年以降、すなわち、事故から4年経った後までは、最初の癌が出て来るとは思えません。」

質問:もしも既に結節があったら、放射線被ばくによって癌化しますか?

”We don’t really know the answers to that question. Most nodules are benign. And we think that thyroid cancer is initiated at the time of the exposure and not dependent upon the existing nodules.”

「それは分かりません。ほとんどの結節は良性です。そして、甲状腺癌は、被ばくによってイニシエートされ、既存の結節に依存しないと考えられています。」

質問:腫瘍の成長スピードによって、放射線誘発性だったかどうか分かりますか?

”Yes, radiation-induced tumors develop quite fast in some people and possibly the fastest in the young people. But it’s very much dependent upon the individual. So we can’t make statement. I mean, thyroid cancer will go on appearing, as a result of radiation, for 60 years after initiation.”

「はい、放射線誘発性の腫瘍は,人によってはかなり早く発達し、若い人たちで一番早く発達するかもしれません。しかし、非常に個人差があります。なので、どちらとも言えません。放射線被ばくの結果として、甲状腺癌は、イニシエーション後の60年の間、出現し続けるでしょう。」

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メモ:2024年8月2日に公表された甲状腺検査結果の数字の整理

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