メモ:2018年3月5日発表の甲状腺検査結果の数字の整理


2018年3月5日に、第30回「県民健康調査」検討委員会が開催された。2017年12月31日時点での3巡目の結果(新たに3例が悪性ないし悪性疑いと診断)が公表され、2巡目では、第8回甲状腺検査評価部会で公表された結果確定版への追加情報(新たに1例が手術により甲状腺がんの診断が確定)が口頭発表された。

2巡目の結果
大津留晶氏により、2巡目で手術例が2例追加されたと口頭発表されたのだが、実際には、前回の検討委員会で口頭発表された2017年9月30日時点での追加手術症例1例を含んでいるということで、今回の追加手術症例は1例である。前回の検討委員会から、これまでの甲状腺検査結果をまとめた「甲状腺検査結果の状況」という参考資料が配布され始めたのだが、その資料の4ページ目の情報から、今回の2巡目の追加手術症例1例が平成27年度市町村の対象者であり、また乳頭がんと確定診断されたことがわかる。

3巡目の結果 (2018年7月1日に数カ所訂正済み)
2016年5月1日から開始されている3巡目では、一次検査受診率が前回より12.8%増えて55.0% 56.9%となり、結果判定率は2%増えて93.4%になった。二次検査対象者は前回より276人増えて1199人となり、受診者数は102人(平成28年度対象市町村で15人、平成29年度対象市町村で87人)増えて659人となったが、受診率は5.3%下がって55.0%となった。結果確定数は99人増えて573人となり、 結果確定数は平成28年度対象市町村で40人増えて494人(92.9%)、平成29年度対象市町村で59人増えて79人(62.2%)となり、全体的には573人となり、全体的な結果確定率は1.8%増えて86.9%になった。平成28年度対象市町村から5人、平成29年度対象市町村から4人の計9人が新たに細胞診を受診し、平成28年度対象氏市町村から2人(男性1人、女性1人)、平成29年度対象市町村から初めて1人(男性1人)の計3人が悪性ないし悪性疑いと診断された。女性1人の事故当時年齢は11歳、男性2人は6歳と16歳である。この3人の2巡目での判定結果は、1人がA2(結節)で、2人が2巡目を未受診だった。手術症例は変わらず7例にとどまった。

注:2巡目対象者には、甲状腺検査未受診の25歳節目健診対象者が計上されるが、3巡目では、25歳節目健診対象者(平成4年度、5年度生まれ)は別途計上となるため、対象者に入っていない。このため、3巡目の一次検査対象者数は、2巡目よりも44625人少なくなっている。またこれは、平成4年度と5年度生まれの受診者が二次検査で悪性ないし悪性疑いの診断を受けても、今回の3巡目結果には含まれていないことになる。今回の検討委員会で、節目健診については、結果がまとまったら公表されることが、大津留氏により発表された。

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先行検査(1巡目
悪性ないし悪性疑い 116人
手術症例      102人(前回から変化なし)(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
経過観察中      14人

本格検査(2巡目
悪性ないし悪性疑い 71(前回から変化なし)
手術症例      52人(前回から1人増)(甲状腺がん 52人:乳頭がん 51人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中     19人 

本格検査(3巡目
悪性ないし悪性疑い 10(前回から3人増)
手術症例      7人(前回から変化なし)(甲状腺がん 7人:乳頭がん7人)
経過観察中     3人

合計
悪性ないし悪性疑い 197人(良性結節を除くと196人
手術症例      161人(良性結節 1人と甲状腺がん 160人:乳頭がん 159人、低分化がん 1人、その他の甲状腺がん**1人)
経過観察中       36人

(**「その他の甲状腺がん」とは、2015年11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第7版内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。)

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2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された71人の1巡目での判定結果
A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、のう胞25人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人

3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された10人の2巡目での判定結果
A1判定:1人
A2判定:6人(結節2人、のう胞4人)
B判定:1人
未受診:2人

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