*末尾の「前回検査の結果」は、特にA2判定の内訳(結節、のう胞)が、まとめて公式発表されておらず探しにくいため、有用かと思われる。
2022年9月1日に、第45回「県民健康調査」検討委員会(以下、検討委員会)が、前回から3ヶ月半を経て開催された。前回辞任した稲葉俊哉氏の代わりに、同じく広島大学・原爆放射線医科学研究所の廣橋伸之氏が就任し、18人の委員構成に戻った。
今回も、会場とオンラインのハイブリッド形式での開催となった。前々回までの会場が利用できなくなり、前回の会場では音声のクオリティに問題があったが、今回は設備の整った福島医大で開催されたので、音声が途切れたりすることはなかった。
今回報告されたのは、進捗中の4巡目と5巡目、そして25歳時の節目の検査の2022年3月31日時点の6ヶ月分のデータだった。4巡目と5巡目では、前回の第44回に露呈された開催日とデータ集計日の乖離がやや修正されはしたが、依然として5ヶ月前のデータである。本来、6月末のデータが公表されても良さそうなものである。なお、25歳時の節目検査では、通常の6ヶ月分の結果が公表されたことになる。悪性・疑い数や手術数の動きは大きくないが、悪性ないし悪性疑いが二桁となった5巡目では、悪性・疑い11人の年齢・性分布グラフが初めて公開され、25歳時の節目検査では、前回の年齢・性分布グラフに続き、地域別の一次検査結果が初公開された。5巡目の地域別データも、次回公開されるかもしれない。
4巡目と5巡目で公開された6ヶ月分のデータのうち、2021年12月31日時点の、前回から3ヶ月分のデータも、それぞれ参考資料1と参考資料2として公開された。(以下の各回での説明で、4巡目では悪性ないし悪性疑いの人数のみ、5巡目では細胞診受診者数と悪性ないし悪性疑いの人数を、3ヶ月ごとに分けることにする。)
4巡目で2人、5巡目で5人、25歳時の節目検査で3人が新たに悪性ないし悪性疑いと判定され、4巡目の2人、5巡目の3人、25歳時の節目検査の4人で手術が施行され、すべて甲状腺乳頭がんと確定している。また、2巡目からも1人が手術を受け、2巡目の悪性ないし悪性疑い数と手術症例数の訂正版も資料公表された。
各検査回の一次・二次検査の結果概要、悪性ないし悪性疑いの人数、平均年齢と平均腫瘍径、および各年度ごとの手術症例の人数は「参考資料 5 甲状腺検査結果の状況」にまとめられている。
全体的には、前回の公表データ(第 44回検討委員会で公表された「参考資料 3 甲状腺検査結果の状況」を参照)と比べると、悪性ないし悪性疑い例は10人増えて284人(良性1人含む)に、手術で甲状腺がんと確定された症例も10人増えて236人となっている。
また、ちょうど1ヶ月前の8月1日に開催された第19回甲状腺検査評価部会(以下、評価部会)の開催報告もされ、鈴木元部会長がUNSCEAR2020・2021年報告書について解説した。しかしこれは、明石眞言氏がすでに、前回の検討委員会でかなりの時間を割いて報告しており、そのスライド資料が第19回評価部会で資料として報告され、また開催報告として検討委員会に戻って来たもので、通算、三度目の説明となる。この重複報告は、議事として形式的なのかもしれないが、UNSCEARの、線量が低いので放射線の影響が見られる可能性は低く、今見つかっている甲状腺がんはスクリーニング効果だろうという見解(UNSCEARプレスリリース)を強調しているように見受けられた。
案の定、産婦人科医の室月淳委員が、UNSCEAR2020・2021年の最終報告が出る前から、専門家の間では、福島原発事故後の線量では健康被害がないだろうというコンセンサスができていたと思うが、そもそも甲状腺のスクリーニングは過剰診断が多いので推奨されていないこともあり、現体制の検査を続行すべきなのか、希望者のみを検査すべきではと問いかけた。これに対し、福島大学の富田哲委員は、UNSCEARの報告はかなり断定的だが、検討委員の中には過剰診断については慎重な考慮が必要との意見が多く、独自の委員会である検討委員会は、福島県の甲状腺がんの実態を見た上で、UNSCEAR報告書が科学的絶対的価値を持っていると評価をして良いのかを踏まえて、評価をすべきだと発言した。
東京農工大学の澁澤栄委員は、UNSCEAR2020・2021年報告書で、日本人におけるヨウ素の甲状腺取り込み率が、日本固有の食生活に基づいて、ICRPモデルの30%の2分の1となる15%とされていることについて、日本の食材は多種多様で食事からのヨウ素摂取が必ずしも多いわけではないのに「なぜ2分の1なのか?」と疑問を呈した。これに対し、鈴木部会長は「2分の1にしたのは鈴木だと言う噂があるが、自分ではない」と断りを入れた上で、日本人の古いデータでは甲状腺への取り込み率が10〜40%で、必ずしも30%という一点ではない、UNSCEARは15%を採用したが、自分の研究班では18.6%と出ている、と説明した。(ちなみに、2分の1にしたのは自分ではないと言う発言は、何度も繰り返された。)また、ヨウ素の甲状腺への取り込み率は、ヨウ素摂取量で決まるものではなく、ヨウ素を甲状腺に取り込むナトリウム・ヨウ素共輸送体(sodium iodide symporter, NIS)や、腎臓からの排泄が大きな役割を占めているとの説明もあった。
UNSCEAR2020・2021年報告書で甲状腺取り込み率が15%、ヨウ素被ばく線量が2分の1と大きく下方修正されたことには、鈴木班の研究成果が大きく貢献している。この研究では、避難区域等7市町村のデータ解析に、低減されたヨウ素の甲状腺取り込み率(18.6%)が用いられ、甲状腺被ばく線量が下方修正されており、2020年1月に論文報告(抄訳)された。しかし、現代の日本人の食生活は必ずしもヨウ素が豊富であるとは言えないのに、その前提で取り込み率が低くなり、その結果として甲状腺への線量も低くされているという状況に、納得しない人は多い。
「2分の1にしたのは自分ではない」と何度も主張していた鈴木部会長だが、鈴木班の研究の多大な貢献により数値が低減されたことには変わりない。そもそも、そのような研究に携わっている人物が評価部会の部会長に就任すること自体がおかしいのである。しかしその時点で、このような展開になるであろうことは簡単に予想され、それが環境省の思惑だったのだろうと思わざるを得ない。鈴木部会長は「病理、臨床、疫学等の観点から専門的知見を背景とした議論を深め、適切な評価を行っていく」(設置要項に明記)という評価部会の本来の目的から「病理」と「臨床」を切り捨てると明言している。甲状腺がん症例の半数ほどにしか基本調査の線量が存在しないため、3巡目のデータを用いた症例対照研究に4巡目のデータを加えると言う鈴木部会長の提案が、今回の検討委員会で容認されたが、とにかく何らかの解析結果を出すことが鈴木部会長の責務ということなのであろう。
英語論文ではすでに、1巡目と2巡目を合わせてベースラインとみなすような表現がされているが(関連記事)、3巡目も独自の解析でなく、4巡目と合わせた解析になりそうである。もっと早期からがん症例に対する詳細な行動記録の聞き取り調査を行っていれば、線量評価の助けとなるはずだが、それを今からでも行おうと言う動きは見られない。福島県民にとって重要な健康調査において「あるもので賄う」という、なんともお粗末な展開となっている。
また評価部会では、スクリーニング効果が過剰診断に繋がっているとは限らず、その2つを区別するためには、長期フォローが必要であることが強調された。スクリーニングにより見つかっている小さながんが、将来臨床的に見つかるもの(早期発見)なのか見つからないもの(過剰診断)なのかを、現時点で判断することは不可能である。もし早期発見されているのなら、10〜20年後の福島県での甲状腺がん罹患率が下がるはずなので、その時点で、スクリーニング効果なのか過剰診断なのかを区別できるようになるということである。しかし、まだ3巡目の結果もきちんと評価されていないというのに、いつの間にか「スクリーニング効果」と「過剰診断」の二択になってしまっていることに違和感を感じる。
一方、環境省の環境保健部長の神ノ田昌博委員は、UNSCEARの評価を鵜呑みにした、放射線被ばくによる将来的な健康影響はないという断定的な発言をしており、中立であるはずの検討委員会への環境省の介入自体に疑問が湧く。この介入は、IARCの国際専門家グループ『TM-NUC』の設立に至る発端となった、環境省(当時)の梅田珠美委員の言動(関連記事)を彷彿とさせる。神ノ田委員の発言は以下である。
1)環境省のアンケート調査では、福島県で生まれてくる子どもや孫に健康影響が起こる可能性が高いと誤解している人が4割にものぼり、これは、福島の子どもに対する結婚差別に繋がりかねない極めて深刻な問題で、このような風評を払拭するための取り組みを強化していく必要がある。
2)甲状腺がんの不安を一生抱えて生きて行くことになる福島の子どもたち自身が、放射線の健康影響に対する正しい知識を身につけて、いわれのない偏見や差別にきちんと反論できるようになるためのエンパワメントが必要であり、そのためにも、甲状腺検査の同意書にも子どもたちが分かりやすい言葉で丁寧に説明し、検査を受けるか受けないかを自分自身で決めるべきである。
3)がんと診断された子どものエンパワメントとしては、主治医が経過観察を勧めても親が早期治療を希望することもあるが、本人の意思をしっかり反映することが重要で、年齢や発達に合わせて分かりやすい言葉で説明した上で子どもの理解や納得を得る「インフォームドアセント」を支援する取り組みを強化する必要がある。
「エンパワメント」と言うと聞こえが良いが、つまり、自己責任論への転嫁に他ならない。放射線影響の有無についての評価が、まだきちんとされていない中、福島の甲状腺がんの臨床的・病理的実態は考慮すらされず、不透明な解析に対する部会員や検討委員の疑問が捨ておかれ、UNSCEARのような国際機関に提供される解析やデータが歪んでいるという事実を無視し、その報告を鵜呑みにすることにより、当事者らが置き去りにされているのである。記者会見でのフリーランスの千葉親子記者の発言(動画)が、その現状を浮き彫りにしている。
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現時点での結果
これまでに発表された集計外症例数を含む、現時点での結果をまとめた。がん登録データの43人は、2018年までの地域・全国がん登録データとの突合で見つかった人数(第19回評価部会 資料2)で、第16回評価部会で公表されて前回の記事に収録された24人(資料)に、第18回評価部会で判明した3人(資料)と第19回評価部会で2018年データから追加された16人(資料)が加わっている。集計外症例35人(うち甲状腺がん19人)は、甲状腺外科医の鈴木眞一氏が2019年から国内外の学会などで報告し、「福島県立医科大学における手術症例の報告」として公表されている。データが突合されていないので実証は不可能ながら、これまで公式に集計外症例と公表されている11人(福島医大の横谷進氏らによる英語論文で報告されており、すべて甲状腺乳頭がん)も、この19人に含まれていると推定される。
4巡目検査の結果
2018年4月1日から開始されている4巡目(25歳時の節目検査対象者は除外)では、新たに 24人が一次検査を受診したが、受診率の62.3%に変化はない。二次査対象者は変わらず1,392人で、うち新たに5人が二次検査を受診し、2人が細胞診を受診した結果、2人が新たに悪性ないし悪性疑いと診断された。
この 2人は、いずれも女性で、1人は2021年12月31日時点のデータに含まれており、事故当時年齢9歳の2019年度対象市町村の住民で、会津地方に居住していた。3巡目の判定はA2結節だった。もう1人は、2022年3月31日時点のデータとして報告され、事故当時年齢14歳の2018年度対象市町村の住民で、中通りに居住していた。3巡目は未受診だった。
4巡目の悪性ないし悪性疑いは 39人となり、前回結果は、A1が 6人、A2結節が 6人、A2のう胞が 13人、A2のう胞&結節が1人、Bが 9人、未検査が 4人となる。
2018年度対象市町村と2019年度実施市町村からそれぞれ 1人ずつの計2人が新たに手術を受け、4巡目で甲状腺がんと確定されたのは合計 34人となった。この 34人全員が甲状腺乳頭がんだった。
5巡目検査の結果
2020年度から開始されている 5巡目検査は、COVID-19パンデミックのために県内学校での検査が一部延期、医療機関での検査も一部制限されたことから、通常の 2年間での実施が困難となり、小学校、中学校と特別支援学校では 3年間(2020年度分を 2年間、2021年度分を 2022年に繰り越し)、高等学校では 2021〜2年度の 2年間(2020年度実施校を除く)で実施されている。なお、6巡目検査は、2023年4月から、従来の2年間で開催される予定である。
2022年3月31日時点での一次検査受診者は、前回から29,104人増えて74,964人(うち 7,214人が県外受診)で、受診率は前回から10.5%増えて、29.6%となった。年齢階級別受診率は、8〜11歳で前回の 31.3%から48.1%、12〜17歳で 20.1%から 36.0%、18歳以上で 7.4%から 10.3%に上がった。
二次査対象者は 411人増えて 869人となり、うち新たに279人が二次検査を受診し、15人が細胞診を受診した結果、5人が新たに悪性ないし悪性疑いと診断され、5巡目での悪性ないし悪性疑いは11人となった。この 5人はすべて女性で、うち1人は2021年12月末時点で新たに細胞診を受診した5人の1人で、2021年度対象市町村の住民で、4巡目ではA1だった。残りの4人は、2022年3月末時点の新たな細胞診受診者10人に含まれており、3人が2020年度対象市町村、1人が2021年度対象市町村の住民で、4巡目の判定は、1人がA1、3人がA2のう胞だった。
5巡目の悪性ないし悪性疑いは11人と、10人以上になったためか、今回初めて、年齢・性分布が公表され、男性1人が事故当時2歳、女性2人がそれぞれ事故当時4歳と5歳と、5歳以下が3人いることが判明した。
この11人の4巡目での結果は、A判定が8人(A1が3人、A2のう胞が4人、A2結節&のう胞が1人)、B判定が2人、未受診が1人だった。
2020年度対象市町村から2人と2021年度対象市町村から1人の計3人が新たに手術を受け、5巡目では6人が甲状腺がんと確定し、6人とも甲状腺乳頭がんだった。
25歳時の節目検査の結果
2017年度から開始されている25歳時の節目検査の結果は、通常の甲状腺検査とは別に、6ヶ月ごとに公表されている。今回の報告データは、1992〜6年度生まれの対象者における、2022年3月31日時点のものである。(受診は対象年度にとどまらず、次回の30歳時節目検査の前年まで可能で、追加の受診データも随時報告されていくことになっている。)2022年度からは、二度目の節目検査となる30歳時の節目検査が、1992年生まれを対象として開始されている。
2016年度生まれの対象者21,020人が加わり、対象者数は108,713人となった。新たに1,678人が一次検査を受診したが、分母となる対象者数の増大により、受診率は 9.3%から 9.1%に低下した。B判定が90人増えて504人となったが、今回報告された二次検査対象者は、2016年度生まれのB判定74人を除いた430人で、前回から16人増えている。新たに25人が二次検査を受診し、計353人の受診者中 345人で結果が確定している。6人が細胞診を新たに受診し、細胞診受診者は31人となった。うち、女性3人が新たに悪性ないし悪性疑いと診断された。この 3人の前回検査の結果は、A2のう胞が2人と未受診が1人だった。前回初出の年齢・性分布のグラフに加え、地域別の一次検査実施状況と結果も公表された。
25歳時節目検査における悪性ないし悪性疑い例は16人となり、前回検査は、A2結節が1人、A2のう胞が3人、Bが3人、未受診が9人となる。
新たに4人で手術が施行され、4人とも甲状腺乳頭がんと確定診断された。25歳時節目検査の手術症例は10人となり、うち9人は甲状腺乳頭がん、1人は濾胞がんである。
また、今回の細胞診の結果における最小腫瘍径は5.3mmと、前回から0.9mm減少している。今回、新たに4人で手術が施行され、悪性ないし悪性疑い16人中10人が手術済みであると判明した。残りの6人の腫瘍径は不明ながら、ほとんどが20代後半なので、アクティブ・サーベイランス(非手術積極的経過観察)の対象となっている可能性はある。
女性の割合について
今回、新たに悪性ないし悪性疑いと診断された10人はすべて女性で、5巡目の男女比は1:10、25歳時の節目検査では1:3と、かなり大きくなっている。これについては、元々、結節が女性に多いことや、検査の進捗状況(5巡目では浜通りと会津地方で学校検査が本年度から始まっており、今回報告された前年度末までのデータには、これらの年齢が低い人のデータが入っていない)、25歳時の節目検査では女性の受診者が多い(実施状況の別表4によると、一次検査の結果判定済みの9,520人のうち、女性が6,233人)、などの説明がされた。5巡目ではまだ悪性ないし悪性疑いの人数が少ないので、これから変わって行く可能性があるとのことだった。
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1〜5巡目と25歳時節目検査の結果のまとめ
同情報は、「参考資料 5 甲状腺検査結果の状況」の7ページ目にもまとめられている。
先行検査(1巡目)(結果確定版の2016年度追補版はこちら)
悪性ないし悪性疑い 116人(前回から変化なし)
手術症例 102人(良性結節 1人、甲状腺がん 101人:乳頭がん100人、低分化がん1人)
未手術症例 14人
本格検査(2巡目)(結果確定版の2020年度更新版はこちら、手術症例更新版はこちら)
悪性ないし悪性疑い 71人(前回から変化なし)
手術症例 56人(前回から 1人増)(甲状腺がん 56人:乳頭がん 55人、その他の甲状腺がん**1人) 未手術症例 15人
本格検査(3巡目)(結果確定版の2020年度追補版はこちら)
悪性ないし悪性疑い 31人(前回から変化なし)
手術症例 29人(前回から変化なし)(甲状腺がん 29人:乳頭がん 29人)
未手術症例 2人
本格検査(4巡目)(実施状況はこちら)
悪性ないし悪性疑い 39人(前回から 2人増)
手術症例 34人(前回から 2人増)(甲状腺がん 34人:乳頭がん 34人)
未手術症例 5人
本格検査(5巡目)(実施状況はこちら)
悪性ないし悪性疑い 11人(前回から 5人増)
手術症例 6人(前回から3人増)(甲状腺がん 6人:乳頭がん 6人)
未手術症例 5人
25歳時の節目検査(実施状況はこちら)
悪性ないし悪性疑い 16人(前回から3人増)
手術症例 10人(前回から4人増)(甲状腺がん 10人:乳頭がん 9人、濾胞がん 1人)
未手術症例 6人
合計
悪性ないし悪性疑い 284人(良性結節を除くと283人)
手術症例 237人(良性結節 1人と甲状腺がん 236人:乳頭がん 233 人、低分化がん 1人、濾胞がん1人、その他の甲状腺がん**1人)
未手術症例*** 47人
注**「その他の甲状腺がん」とは、2015年 11月に出版された甲状腺癌取り扱い規約第 7 版 内で、「その他の甲状腺がん」と分類されている甲状腺がんのひとつであり、福島県立医科大学の大津留氏の検討委員会中の発言によると、低分化がんでも未分化がんでもなく、分化がんではあり、放射線の影響が考えられるタイプの甲状腺がんではない、とのこと。
注*** 未手術症例の中には、福島県立医科大学付属病院以外での、いわゆる「他施設手術症例」が含まれている可能性があるため、実際の未手術症例数は不明である。
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前回検査の結果
2巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された 71人の 1巡目での判定結果
A1判定:33人(エコー検査で何も見つからなかった)
A2判定:32人(結節 7人、のう胞 25人)
B判定: 5人(すべて結節、とのこと。先行検査では最低 2人が細胞診をしている)
先行検査未受診:1人
3巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された 31人の 2巡目での判定結果
A1判定:7人
A2判定:14人(結節 4人、のう胞 10人)
B判定:7人
2巡目未受診:3人
4巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された 39人の 3巡目での判定結果
A1判定:6人
A2判定:20人(結節 6人、のう胞 13人、結節&のう胞 1人)
B判定:9人
3巡目未受診:4人
5巡目で悪性ないし悪性疑いと診断された 11人の 4巡目での判定結果
A1判定:3人
A2判定:5人(のう胞 4人、結節&のう胞 1人)
B判定:2人
4巡目未受診:1人
25歳時節目検査で悪性ないし悪性疑いと診断された 16人の前回検査での判定結果
A1判定:0人
A2判定:4人(結節 1人、のう胞 3人)
B判定:3人
未受診:9人
追記(2022年9月14日):鈴木眞一氏の現在について
甲状腺検査の最初の担当者で、外科手術を執刀して来た、福島医大附属病院の甲状腺外科医・鈴木眞一氏は、定年退職のため、現在、福島医大の甲状腺内分泌学講座の主任教授から退いているが、2022年度から甲状腺治療学講座という3年間の寄付講座の主任に就任している(福島医大HPのリンク)。研究テーマは、「甲状腺治療の臨床的研究及び人材育成」となっており、寄附者は、前座長の星北斗氏が理事長を務める、星総合病院である。
一方、福島医大附属病院の甲状腺・内分泌外科の外科部長を鈴木眞一氏から引き継いだのは、鈴木弘行氏となっている。(福島医大附属病院HPのリンク)
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