福島県の公園では、1時間しか遊べない


福島市から京都に自主避難した女性、Akemiさんが、2013年3月に帰省した際に、福島市の実家の近所で撮った画像を紹介する。


看板の内容
公園を利用する皆さんへ
環境放射線の影響により、公園利用にあたっては次の点に留意してください。

  • 公園の利用は、1日あたり、1時間程度としてください。
  • 公園の利用後は、手や顔を洗い、うがいをしてください。
  • 土や砂を口に入れないよう注意してください。

(問い合わせ先)福島市公園緑地課 TEL 525-3765


これが、その公園である。Akemiさんの実家周辺の3つの公園に、同じ看板が立っていたそうだ。砂場には、ブルーシートがかかっており、重しがしてある。実は、この公園は、緑地帯公園だったそうだ。Akemiさんは、先に息子さんを京都に避難させていたのだが、2012年8月に1週間ほど京都へ行っていた間に、除染作業の一環なのか、その緑地帯公園が普通の公園に変身していたそうだ。Akemiさんによると、毎朝この公園を突っ切って登校しているこどもがいるそうだ。


少し違う角度から撮られた画像では、左上に工事用のショベルカーが見える。



さらに別のアングルからの画像では、公園の上の方に工事現場があるらしいのが分かる。実は、ここに家が建つそうである。


Akemiさんがその工事現場に近づいて撮った画像。ラデックスでは、0.52 μSv/hと表示されている。


除染後には、’どの公園でも除染後の空間線量を表示されている。この公園の看板には、測定日は平成25年3月11日で、空間線量は0.186 μSv/hと書いてある。しかし、Akemiさんのラデックスは、0.49 μSv/hという、約2.5倍の数値を表示している。


ちなみに、福島県のテレビ番組では、このような「県内環境放射線量測定値」が、軽やかな音楽と共に、まるで天気予報のように放映されているという。



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なお、このような看板は、2011年4月25日から福島市各所で設置されていたらしい。

2011年4月25日の共同通信の記事の引用。

福島市公園に注意呼び掛ける看板 基準上回る線量 

福島市は25日、大気中から国の基準(毎時3・8マイクロシーベルト)以上の放射線量が検出された市内の二つの公園に「利用は1日あたり1時間程度としてください」と注意を呼び掛ける看板を設置し、砂場はブルーシートで覆った。


 福島第1原発から60キロ以上離れているにもかかわらず、基準と同じ放射線量が検出された「信夫山子供の森公園」。いつもなら子どもたちの声が響き、桜の花見客でにぎわうが、この日は人の姿は全くなかった。


 市公園緑地課の職員は「いい公園にするために頑張ってきたのに…」と話し、近所の女性(78)は「子どもの声が聞こえなくて寂しい。こんなに静かな春は初めて。原発事故がただただ悔しい」と涙を浮かべた。


 福島市の中心部にあり、基準を0・1ポイント上回った新浜公園にも看板が設置された。


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近所の公園で遊ぶのに、1時間という時間制限がある子供達。
事故による放射能フォールアウトが、「環境放射線」と呼ばれている件。
除染後の空間線量と個人モニタリングの差異。
1時間しか遊べない公園のすぐ傍に新築中の家。(ちなみに、福島市では、浜通りから避難してきた人達が定住するべく家を新築中のため、ちょっとした土地バブルが起こっているという話である。)

個々にさまざまな事情があるのだと思うが、このような画像を目にすると、色々と考えさせられる。

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注:郡山市の酒蓋公園の看板の画像を、今年4月のものだとして掲載しておりましたが、現在の放射線量からその真偽が疑わしいとのご指摘を頂いたのと、元々、インターネット上に出回っていた画像で元ソースが不明であるとの点を考慮した上で、米国時間の2013年11月16日に削除いたしました。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。

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